水牛家族って? どんなところ? マンゴー・プロジェクト レイテ・グッズ オルモック物語 スタディ・ツアー 水牛家族通信 入会の方法



No.10 ティム君一家の暮らしが始まりました
No.11 トンナゴンの空は泣いていた
No.12 いよいよ土地探しも終盤に
No.13 わぁッ、びっくり!不発弾!?
No.14 小農家組合のリーダー、ヴェロニカさん
No.15 マニラに地主のタンさんを訪ねたけれど……
No.16 急転直下土1地がわたしたちのものに!
No.17 大きい夢に向って、小さい歩がはじまります
No.18 地すべりの村、希望と絶望が背中合わせ
No.19 <地域デビュー>をはたしました
No.20 軍の広報官とご対面
No.21 キャンプ・ドーンの司令部を訪ねる
No.22 フィリピン中で深刻な米不足
No.24 レイテ戦の記憶を無駄にしないために
No.25 ミセス・ティストンのお宅にホームステイ
No.26 ODAで得をするのはだれ?
No.27 ーご近所さんをクリスマス・パーティにー
No.28 破壊が進んだ環境の再生をめざして
No.29 子どもはみんなアーティスト
No.30 抗日ゲリラの歴史・アミハン君の戦争−その1
No.31 抗日ゲリラの歴史・アミハン君の戦争ーその2
No.32 抗日ゲリラの歴史・アミハン君の戦争ーその3


あけましておめでとうございます。

昨年は「水牛家族」を応援してくださり、ありがとうございました。
おかげさまで念願の土地が入手できて、今年はいよいよセンターの建設にかかります。
といっても、そうかんたんではないでしょう。

現地からは、12月に前所有者が植えていたサトウキビの収穫がすべて終わり、まずは農作業ができる体制をととのえるところから始めたいと連絡がありました。サトウキビの根っこを抜いたりあとに何を植えるのか、まずそこから始めなくてはなりません。たいへんだけど、でも、レイテの仲間たちは希望に満ちています。なんといっても、はじめて「自分たちの土地」を手に入れたのですから。
レイテの仲間たちは、財産を何も持たない、鎌ひとつ持っただけの農民ですから、すぐにできることは限られていますが、「水牛家族」らしく、一歩一歩、ゆっくりと歩みを進めて行きたいと思っています。今年もどうぞよろしくお力をお貸しください。

● わたしたちのセンターをマンゴーの実る土地にしたい
実は、もう少し具体的にプランを固めてからお知らせしようと思っていたのですが、やはり経過を知っておいていただくのがいいと思い、現在現地と相談しながら進めているマンゴー・プロジェクトについて書いてみます。なんでもガラス張りにして、みなさんに相談するのが水牛家族のやり方ですので。このマンゴー・プロジェクトは、敷地の中の約1ヘクタールの丘陵地で始めたいと考えています。以前の通信で、イサベルという町にマンゴーの苗木を見に行ったことをお伝えしました。その関連で、先日、セブ島で独自にドライ・マンゴー生産工場を持って成功している現地のNGOを訪ね、工場と付属のマンゴー畑を見学してきました。

この工場は日本のODAで海が埋め立てられ、仕事を失ったひとたちの家族を支援する目的で支援者が土地を提供し、資金の貸付も得られて、建設されたものです。1棟だけの小さい工場ですが、シンプルな機械を使って作業ができる清潔な工場です。機会はそれほど高度なものとは思えませんが、特徴的なのは、自分たちの工場だという自主管理意識があるのでしょうか、働いている人たちがとてもイキイキと作業をしていることです。

見学後に絞りたてのマンゴー・ジュースをご馳走になったのですが、それは、それは、おいしいものでした。機械を使ったモノ作りでもメンタルなケアは大事なのですね。自分たちの工場だということで、出来上がった製品にも愛情が湧くのだと思います。マネージャーの案内で、果実を洗う、スライスする、絞る、ドライアップする、などのすべての工程を見てまわり、添加物なしでもドライ・マンゴーが生産できることもわかりました。市販のものよりも色がダークで筋っぽい部分も取り除いてありませんが、味はバツグン!です。
工場では、まだ自分たちの畑の樹木では足りず、近所の農家と契約してマンゴーを買い付け、量を補っているとのことでした。その時点では、生産工程で添加物は使っていなかったけれど、低農薬マンゴーが混じっているとのことでした。

自主生産ができれば、もっとがんばれる
同じNGOのセブ市内の直売店を訪ねたとき、セールス・マネージャーがうれしそうに「完全無農薬のドライ・マンゴーができたのよ! さぁ、試食してみて!」と、新商品をすすめてくれました。見たところ、これまでと変わりないダークな色のドライ・マンゴーです。食べ比べてみると、味はこれまでのものとまったく変わりません。むしろ、おいしいくらい。つまり、添加物なし・農薬なしでも、いい土を使い、ていねいに樹木を育てれば、ちゃんとおいしいドライ・マンゴーが作れるということでしょう。農薬を使わないといい果実が育たないと聞いていたのですが、有機的な肥料だけでマンゴーを育ててもいい結果が出せるかもしれないと少し安心しました。

直売店では、クリスマスに向けてこの無農薬ドライ・マンゴーを出荷したいといって、お店の人たち総動員で「完全無農薬!」と書いたシールを商品ひとつひとつに貼っていたので、わたしもよろこんでシール貼りの手伝いをしてきました。水牛家族もいずれマンゴーの樹木を育てて、その果実をマーケットに出荷したり、できれば自前の小さい工場を持ちたいと考えていると話すと、お店のひとたちは、口々に、「レイテ島もセブ島と同じビサヤ地方なのだから、きっといいマンゴーが作れるよ」「マンゴーが余ったら、わたしたちの工場で引き受けるから安心して。連携していっしょに発展しましょう」と励まされました。  このNGOでは関西の生協を通じて一部日本にも製品が入ってきていますし、現在はエコロジカルな生活感覚を持つヨーロッパにも輸出しているとのことです。

まだまだ苗木も植えない先からの話なので、今後、さらに検討しなければなりませんが、希望を感じるNGO訪問でした。

 




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